本日は、「魚の取り方」というテーマでお話したいと思います。
人に魚を与えるだけですと、食べてしまえばなくなるため、
相手はまた魚を与えてもらおうとすることになりますが、
魚の取り方を教えておけば、
自分で魚を取ることができるようになるため、
食べていくのに困らなくなるという意味の格言があります。
教育の世界、教える立場で仕事をしている人たちは、
答えをすぐに教えるのではなく、答えを導くための考え方や、
答えを見つけることの楽しさを身につけてもらえるよう、
学ぶ意欲を引き出して、学んだことを実践させながら、
失敗から学び、学ぶことが成長につながり、
知っていることと知らないことには、
大きな差があることを実感してもらうために、
同じような言葉を用いたりしています。
一方、投資など金融の世界においては、
おすすめ商品を目の前にぶら下げられるなど、
魚を与えられるような場面が非常に多く、
自己責任とはいえ、初心者にとっては、
つい飛びついてしまいたくなるように仕向けられると、
なかなか断るのも難しいものです。
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なぜその商品がおすすめなのか、
その根拠や理由を納得したうえであればいいのですが、
そうではなく、冷静に考える暇も与えられないままお金をつぎ込み、
期待通りの結果が得られればまだマシですが、
期待外れの結果となってしまっても自己責任で、
ギャンブルと投資の違いを学んでおけば起こり得ないことが、
この業界では日常茶飯事であるとするならば、
FPの出番はまだまだあるような気がします。
ギャンブルは、一攫千金、一発逆転を狙うような、
確率的には相当低いけれども、当たれば相当大きなものが得られ、
夢やロマンと重ねることで、
確率の低さや手数料の高さを忘れさせてしまうようなもので、
こんないい商品がありますよ的な、商品と絡めやすくなり、
魚を与え続けることとなります。
投資は、商品選択も重要な位置づけにはなりますが、
長い目で見た資産形成とか、豊かな暮らしを視野に入れますので、
収入と支出のバランスから、より多くの貯蓄を生み出し、
投資に一歩踏み出すために、働き方とか家族の生き方など、
生活全体を見直しながら最適な選択を見つけようとする
長期的、計画的な考え方や行動をいいますので、
金融商品のみならず、自己投資とか、自分年金づくりも含めた、
魚の取り方を学ぶものになるのです。
次回は、「自分年金」について考えていきたいと思います。