本日は、「負けない」というテーマでお話したいと思います。
勝負の世界における勝ち負けは、最後まで確定しませんので、
例えば、野球というスポーツにおいては、
9回裏にサヨナラ勝ちすることがよくあるみたいに、
最後まで諦めず、負けないぞという攻める姿勢と、
それを支えるメンタル的なものが重要視されることがあります。
勝負の世界には、相手があり、終わりがあるため、
引き分けという例外はあるものの、基本的には勝敗が決するため、
どちらかが勝って、どちらかが負けてしまうという性質があります。
ですから、勝つために、また負けないために、
技術を磨き、鍛錬を重ね、自分の強みを最大化するための努力や工夫をし、
イメージトレーニングやメンタルトレーニングもしながら、
相手の情報を収集・分析し、相手の強みや弱みも頭に入れておき、
攻めと守りをコントロールできるようにすることが求められます。
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一方、投資の世界における勝ち負けには、終わりというものがなく、
相手は目に見えない大きな市場であり、相場であり、
その背後にいる世界中の参加者の欲望に左右される駆け引きのみならず、
政治や経済、国際関係、企業統治、天災・人災などなど、
様々な要因の影響を大きく受けて、常に相場が変動するなかで、
自分で勝敗を確定していくため、
利益を確定すれば勝ち、損失を確定すれば負けとなります。
大きく勝つこともあれば、大きく負けることもあり、
それらをトータルして、勝てればいいものの、
様々な投資動向の調査結果によると、残念ながら、
大多数の個人投資家は、負けていると言われますが、
これは、投資というよりは、投機の結果に過ぎないのです。
投資というのは、目の前の勝ち負けに賭ける投機とは違い、
自己投資のような、長い目でリターンを享受しようとする考え方で、
今すぐに結果を求めるものではなく、
少しずつ利益をもたらせるようになればよいため、
初めのうちは損失が出ていても気にする必要はないのです。
つまり、損失を確定させない限りは負けない性質を利用して、
資金管理や資産配分をコントロールしつつ、
長期・分散投資を徹底していけばよく、
上昇と下落のバランスが歴史的に右肩上がりなものを柱にしておけば、
技術や情報分析、メンタルにそれほどフォーカスする必要も
わざわざ自分で負けを確定させる必要もないのです。
次回は、「損失確定」について考えていきたいと思います。