本日は、「知情意」というテーマでお話したいと思います。
人には、「知・情・意」(知性・感情・意志)が標準装備されており、
そのベース機能を活かし、引き出すために、
外装的に身につけた様々なオプション機能も活用しながら、
これらをバランスよくコントロールしていくことが理想ですが、
理想と現実には、ギャップがあるものです。
ですから、少しでも理想に近づけるべく、知情意を養うために、
自分の心と向き合いながら、
「何を知り、何を想い、何を為すべきか」を問い続けることが大切です。
一人ひとりの知情意と知情意が刺激し合いながら、
時に反発し、時に融合し、取捨選択を繰り返すことで、
自分の軸を確立し、ブレない生き方をしていきたいものです。
☆★——-★☆——-★☆——-★☆——-★☆——–★☆——–★☆
FPは、お金の専門家、お金のホームドクターとも言われますが、
知情意の使い方次第で、自分や顧客の人生を良くも悪くも、
大きく変えてしまうという点では、
モラルの問題を避けては通ることができません。
例えるなら、体の調子が悪くてホームドクターにかかったとして、
単なる風邪とわかり、日にち薬で養生していればいいにも拘らず、
余計な診察や検査をしたり、余分な薬剤を出したりすると、
モラルの問題はもとより、過大請求にもなり兼ねません。
お金の世界においては、ぼったくり投資や合法詐欺のような、
知識の格差を悪用し、本質から目を逸らせて情に訴え、
相手の意志決定を自分の都合や自分の利益のために誘導している事例が、
後を絶たないのも事実です。
そんな外敵から守るための防波堤として、
お金に関するプロフェッショナルであるべきFPには、
自らの知情意を磨き、自らが学んだ知識や経験を知恵として、
顧客に適切な情報を自信と情熱をもって伝え、
顧客の利益を最大限に考慮のうえ、意志決定のための選択肢を提示し、
顧客の知情意を刺激し、活性化させ、現実に向き合い、
一歩を踏み出す後押しをするために、学び続ける使命があり、
その学びを誰のために活用するのかで、モラルが問われるのです。