老後のための貯蓄はほとんど使わずに終わるというデータを紹介したところ、
その根拠となるデータはどこに掲載されているのか?
というご質問をいただきましたので、出典元の書籍を紹介しておきます。
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アメリカ従業員給付研究所は、2018 年、
高齢のアメリカ人の資産と支出に関するデータをもとに、
退職後の 20 年間で(または 20 年未満に死ぬまでに)どれだけ資産が減少したかを調査した。
60代から90代までの退職者全体で、年齢を問わず世帯支出と世帯収入の中央値比は、
ほぼ1:1だった。
つまり、いつまでも収入と同程度の支出を続ける傾向にあり、
退職しても資産には手をつけないという傾向を示している。
資産額が多い人々(退職前に50万ドル以上)は、
20年後または死亡するまでにその金額の「11.8%」しか使っておらず、
88%以上を残して亡くなっている。
つまり、65歳に引退したときに50万ドルだった資産は、
86歳の時点でまだ44万ドル以上残っている。
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資産額が少ない人々(退職前に20万ドル未満)は、
老後に資産を使う割合が高い
(同額の支出でも、資産が多い人に比べて支出の割合が大きくなるためだろう)。
だが、このグループでも、退職後の18年間で資産の4分の1しか減っていない。
全退職者の3分の1が、なんと退職後に資産を増やしている。
資産を取り崩すのではなく、反対に富を増やし続けていた。
退職後も安定した収入源が保証されている年金受給者の場合、
退職後の18年間で使った資産はわずか4%と、
非年金受給者の34%に比べてはるかに少なかった。
つまり、現役時代に「老後のために貯蓄する」と言っていた人も、
いざ退職したらその金を十分に使っていない。
だとするならば、老後のための貯蓄が本当に必要なのかどうか?
もっと「今」に視点を向けたお金の使い方があるのではないか?
ゼロベースで検討してみる価値はあるのかもしれない。