自分への投資が資産価値を高める

今自分が身につけている知識や能力、技術などは、過去にそれなりの時間やお金、労力を費やしてきた自己投資の結果であるはずです。そのなかには、自発的なものもあれば受動的なのものもありながら、自分という資産価値を高めてきた結果として今の仕事や収入につながり、その積み重ねによって、未来の自分の資産価値を高め続けていくことが可能になります。

自己投資における複利と単利

金融資産への投資においては、利息の計算方法を複利にするか単利にするかで、長期的にそのリターンにかなりの開きが出てしまいます。とはいえ、単利には単利のメリットがあり、利息を先送りすることなく今を豊かに生きるために使うことが可能になりますので、どのようなバランスで投資をするのかが大切です。自己投資においても、身につけた知識やスキル、技術などに関連するものの幅を広げていくことを複利と捉え、全く畑違いの知識やスキル、技術などを身につけるものを単利と捉えることができますが、複利によって身につけたものの幅を広げつつ、単利によって新たなチャレンジを通して、人間の幅を広げていくことにもつながるとすれば、やはりバランスが大切なのです。

人的資本の活用は需要と供給

そして、自己投資の複利効果や単利効果を活用しながら自己の能力を開発することにより、その能力を活かした仕事によって収入が得られる訳ですから、自分こそが資本となり、そのことを人的資本と言います。自分の能力を向上させればさせるほど人的資本が高まり、給与の上昇や報酬単価のアップにつながるのが理想ではありますが、自分の意志だけではうまくいかないのが現実世界で、経済社会が需要と供給で成り立つ以上は、やはり需要がある能力を身につけるという視点が必要ですし、供給先の動向を見極めつつ、供給先へのアピールなしには人的資本を最大限に活用することはできないものです。

他人との関わりが不可欠

つまり、自己投資により身につけた自己の能力を活用した人的資本を元手に、収入に変えていくには、他人に自分の能力を買ってもらわなければならず、そのための方法や手段も想定しておく必要があるのです。会社であれば上司や同僚、部下、取引先などとの関係を起点として、求められる知識やスキル、技術などを磨きながら、需要をキャッチし供給できる自分にレベルアップしていく必要がありますし、フリーランスであれば、身近な人間関係を起点として、取引先を得るために世の中の需要を満たすためのアピールをしながら、実績と評判を積み重ねていく必要があるのです。ですから、他人との関わりは不可欠であり、そのなかでも評判というものの重要度が高いため、人としての振る舞いや言動、行動、他人との約束を反故にしたり、配慮ができなかったりすると致命傷になりかねないのです。

他人の評価はコントロールできない

理想は高評価を積み上げていくことではありますが、他人が関わる以上、合う合わないという主観的な評価もありますので、低評価がつく場合があるのも仕方のないことです。それでも、致命傷にならない範囲内でそれなりの評価を得るには、人としてのマナーや振る舞いをなおざりにすることなく、真摯に誠実に取り組むことが大切です。他人の目ばかりを気にして、ゴマをするとか見た目だけよくするとかという意味ではなく、他人の評価はコントロールできない以上、自分が他人の立場でどうしてもらえたら嬉しいのか、頼んで良かったと思えるのかということを意識したうえで、自分の能力を最大限活かすためにそれなりの手間暇をかけて、今の自分の最高の結果を目指す努力を傾注しようとする姿勢が大切なのです。

By hb