投資の役割

投資は、自分の持つ大切な資本や資産を投じることで、その資本や資産を元手に新たな商品やサービスが生み出され、社会に必要とされたり、問題が解決されたり、付加価値をもたらすことにより、その対価として利益が得られることになります。そして、その利益を再投資したり、分配したりすることで、経済や社会が成長発展し、人々の生活もよくなっていくという意味では、投資の役割は、時代の流れを見据え、何が必要とされ、どのような問題があり、それらを解決するために必要な知識や情報、研究、技術、労働力などの英知を結集させて、うまくコントロールできる人を探し、その人に資金を託す価値があるかを見極めることです。

投資は計画的

つまり、そのような見極める力を得るには、一朝一夕にできるものでなく、それなりの知識や情報を得ておくのはもちろん、経験を重ね、長期的な視点で、総合的な判断ができるよう、計画的な取り組みが不可欠です。試験勉強に例えるなら、試験範囲を計画的にくまなく勉強して、ポイントを整理し、どんな問題が出ても対応できるよう準備をしておくようなものと言えます。

投機はヤマを張る

その一方で、投機は、同じ資金を投じるにも、長期的な視点は度外視し、短期的な一瞬のタイミングを計ることで、自らの利益を狙うものとなります。試験勉強に例えるなら、ヤマを張って一夜漬けをするようなものと言えますので、ヤマが当たれば結果は良くなりますが、外れれば結果は散々なものになりかねません。

判断材料の多寡

つまり、資金を投じたものが順調に成長し利益を生み出していってくれるのなら、投資であれ投機であれ、特に問題はないのですが、予想外の事態で利益が見込めず、投資資金の回収見込みが立たないような場合、投資であればあらゆる想定のもとに長期的総合的な視点で取り組んでいるため、柔軟性をもって再度検証を重ね、判断材料を増やし、目の前の現実だけにとらわれずに済むはずですが、投機であれば、目の前の現実が全てとなり、判断材料を持たないようなものですから、ただ資金を塩漬けにしてしまうか、損失確定せざるを得なくなるのかも知れません。

経験とスキルを磨く

とはいえ、投機で成功している人もいるように、どちらかの良し悪しを問うのではなく、どちらが自分にとって向いているのか、結果を出し続けられるのかを見極めることが大切なのです。そのために、それぞれの経験を通して、どのようなスキルを磨き、どのような知識や情報、考え方、心の持ち方が必要かなど、大切な資金を投じる以上、自分の頭で考え、小さな行動の積み重ねと結果の検証を積み重ねながら、徐々に見えてくるものを信じ、他人に左右されず、計画にとらわれず柔軟性をもって、機会からも学びながら、自分にとっての最適なスタンスを確立したいものです。

By hb