社労士関係で役所による調査話が続いたので、法人のその後の動向を少し挟むと、意外な展開を辿る事になった。そもそもは社労士オフィスのホームページを見て問い合わせが来たのだが、社労士オフィスにおいて顧問契約で業務委託を受けた会社から、給与計算や帳簿記帳等の各種事務代行を請け負う事もあり、その場合は法人を通して受託するようにしていたのだ。とは言え、必要な書類等を紙でお預かりするか、データで送ってもらい処理するパターンでしか請け負う事はせず、全て自社内で処理をする事で、問い合わせや来客にも対応できるようにしていたのだ。
ところが、先方のオフィスに出向いて処理をするご要望だったのだ。それが月に1~2日程度ならまだしも、元々フルタイム勤務している方の代替要員としての依頼だった為、かなりの稼働を見込む必要がある案件だったのだ。とは言え、いつも通り即答で受託をしてしまったのだ。毎日出向いての処理は、どう考えても無理という事は先方もご承知いただいたものの、それなりの日数での派遣を想定していたようだった。そこで、まずはフルタイムでまだご勤務されているうちに、どのような業務をどのタイミングで、どのように処理をしているかを見学させていただく事にしたのだ。
自転車で15分程度で通える範囲だったので、ほとんど苦にならない距離だったのは幸いだった。そこは多店舗展開する法人本社のオフィスで、当時は5店舗だったが、業務拡大を進めようとしている段階だった。その際の助成金の相談絡みから、事務代行の話にまで発展したのだが、自分にとっては、更に知識や経験、スキル、多店舗展開法人における給与や経理、労務管理等を任せてもらえるチャンスだったため、即答で受託したのだ。ただ、問題はフルタイムの方お一人分の業務量を、いかに少ない派遣頻度で短時間で処理できるかどうかだった。とは言え、フルタイムの代替要員ながら、稼働日数は半分以上減らしてもいい代わりに、給与の半分程度の報酬でのご提案だったのだ。
つまり、多くて2日に1日、つまり月に10~11日程度の稼働の範囲内で処理できればという事だが、それでも当方としては多過ぎると感じていた。それでも見学してみると、驚くほどに業務量が想定をかなり下回り、拍子抜けしてしまったのだ。考えてみれば、社員として固定給で働く場合には、給与が決まっているため、業務の処理を早くすればするほど、仕事ばかりが増えて給与は変わらないという事になってしまうが、業務委託で請け負っている自分の立場では、いかに少ない時間でたくさんの業務をこなすかで生産性に影響を与えるため、真逆の発想になるのだ。結論的には、週に1~2日間の午前又は午後の3~4時間程度の滞在で十分こなせたのだ。フルタイム換算では月に4~5日という事になるので、生産性は月20日稼働だったとしたら、4~5倍になったのだ。