社労士FPとしては様々な業務を同時並行で行う事になるので、一つの事に集中できず結局は何にも極める事ができないと思われるのかも知れない。一般論としてのゼネラリストを目指すのか、スペシャリストを目指すのかというサラリーマン的発想からすると、そう思われるのも仕方がないだろう。しかし、二者択一のように単純に二元的に割り切る必要がないのが、自営業、フリーランス、独立起業家なのだ。あらゆる事業を行っているからと言って、一つの事を極められないのは、継続力や意志力のみに頼ってしまう場合が多く、仕組化して習慣化させる取り組みを端折ってしまうからではないだろうか。

会社員であれば、一つのパーツとしてその役割や機能を果たし、それらを集約したりコントロールしたりする役割や機能によりチェックや管理を行い、最終的に組織の目的を果たす事ができれば良いのだろう。その中においては、それぞれがスペシャリストを目指すも良し、ゼネラリストとして幅広い知識と経験を重ねていくも良し、会社や管理者が本人の希望やキャリア、全体最適を考えながら采配していけば良いだけだ。

一方、自営業者などで一人で事業を行う者にとっては、全ての役割を自らが行うのが基本となるのだ。勿論、苦手分野を外注に出すという事はあるものの、まずは自分で全てをやってみて、ある程度全体像をつかんだうえで、自分が行った場合と外注した場合とでどちらが時間的な効率が良いのかを判断できるようになれば、切り離して行けばいいだけだ。むしろ一人で何でもこなせるようになる事自体は、人にもよるだろうが、楽しくもあり、喜びにも繋がるものだ。何より、経験値も上がるため、その仕事を他人にさせて見れば、どれ位の処理能力で、効率的で、創意工夫しているか否かが、瞬時に見極められるようになるので、矢張りまずは自分で何でもできるようにしておいて損はないのだ。

だからと言って、いつまでも何でも自分だけでこなそうとする事は、それ以上器を大きくしていくにも限界が来てしまうものだ。時間だけは誰にでも平等に刻まれる事を考えると、いかに時間を有効活用していくのかが大切だ。自分で無くても誰でも出来る事、人に任せた方がよりクオリティが高くなる事、自分にはどう考えても出来ない事などに、無駄な時間を費やすぐらいなら、さっさと任せられる人に任せて、自分を最大限有効に活用できる時間の使い方をしていきたいものだ。時間は平等に刻まれるものの、いつ刻まれなくなるのかは誰にもわからない以上、今目の前の出来事に費やしている時間が人生最後になっても悔いが残らないかを意識しながら、自分と周りを笑顔にしていきたいものだ。

By hb

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