連動しているものを分断するメリット

前回もお伝えしたように、連動しているものを分断することにより、連動しない仕組みをつくることができますが、例えば、社会保険料は、本来、収入が上がれば上がるほど、標準報酬月額も上がるため、当然保険料額も上がるのが一般的ですが、収入をどこから得るかによっては、収入との連動が分断されるため、社会保険料には影響しなくなるのです。そうなると、連動する場合に比べると、社会保険料率分、手取り収入が多くなるというメリットを享受することとなります。

標準報酬月額表(協会けんぽ大阪支部・R3.3~)

下記のような保険料額表を見たことがある方もいると思いますが、協会けんぽをはじめとする社会保険料は、保険料額表の等級ごとに、報酬月額範囲が定められていて、定期的又は固定的賃金に変動があった場合に随時、報酬月額に応じて等級を見直すことになっています。

連動の原則&例外、分断できる無関係な場合

原則としては、社会保険料を控除することとなる給与を受給している会社における収入の多寡によって等級が決まり、例外的に、複数の社会保険適用事業所から給与を得ている場合には、両方の収入が関係して参りますが、それ以外の会社やフリーランス(個人事業主)として得る収入の多寡は無関係となるため、社会保険料のことは気にしなくて済むようになります。

税金のことも意識する必要がある

ところが、社会保険料のことだけを考えて青天井にフリーランスの収入を伸ばしていくと、累進課税の所得税が待ち構えていますので、収入を増やす取り組みに加え、その収入を得るための必要経費というものをきっちり把握し、その他所得控除なども活用できるように必要な対策を講じていくことが、次に大切なポイントになって参ります。

知るか知らないかの格差

つまり、社会保険料を抑えるためだけにフリーランス(個人事業)を活用するのではなく、税金も含めたトータルでのバランスを考えていく必要があり、そのためには、社会保険の仕組みや税制の仕組みなど、正しい知識や情報をまず知ることにより、適切なバランスを構築するための判断力を身につけることが大切で、知ることと知らないことの格差は、時間の経過とともに、広がり続けていくのです。

By hb