ゴールによって変わる準備

富士山への登頂を目指すのなら、それに相応しい準備が必要なように、目指すゴールを明確にすることによって、そこに向かうために必要なコトやモノのイメージが湧いてくるはずです。ゴールが見えないなかで闇雲に行動することは、どこに上りたいかがわからないままに、取り敢えず梯子をかけて上り始めるようなものかも知れません。折角梯子をかけて上り始めるのなら、まずは上りたいところを決めたうえで、それに相応しい梯子を用意して上り始めなければ、上りたいところには上れないのです。

小さなゴールを達成

とはいえ、全く登山経験がないのにいきなり富士山を目指すのは、あまり現実的ではないように、まずは近くの小さな山を登ってみるなど、小さめのゴールから設定する段階的な目標設定とそれをクリアしていく成功体験が大切になるのです。それは例えば、書道などの習い事のように、上達度に応じて昇級や昇段していくみたいに、一段一段階段を上りながら徐々に上達していく実感を得つつ、次なる目標が見えてきて、それを一つ一つクリアしていくことにより、いつの間にか目を見張るほどに上達してしまっているという仕組みと、身近にお手本があり、更にはコツやツボなどの具体的な指導ができるお師匠さんがいるからこそできることなのかも知れません。

時間と手間暇がかかる

「1万時間の法則」という言葉があるように、何かスキルを身につけたり、モノゴトを極めたりしようと思えば、それなりの時間がかかるものであり一朝一夕にできるものではないのです。1万時間というのは、単純に24時間で割ると417日ですが、1日4時間ずつ取り組むとしたら6倍の約2500日、約6年10カ月かかる計算になります。勿論、スキルの内容や極めたいモノゴトによりかかる時間は異なるものですが、できないものができるようになるまでには、それなりの時間と手間暇がかかることには変りません。

“どうしても”という意志

それだけの時間と手間暇をかけるとなると、余程の強い意志とやりきろうとする継続力が必要ですし、仕事で疲れていても取り組めるものとなると、どうしてもやりたいことや、どうしても身につけたいことという、“どうしても”という理由付けができるものでない限りは長続きしないものです。もし、長続きしないとするならば、そこには“どうしても”というほどのものがないからといっても過言ではないでしょう。“どうしても”という強い意志とか意欲があるからこそ、計画的な取り組みと、それを行動に移すための工夫ができるものなのです。例えるなら、どうしても会いたい人がいれば、忙しい合間を縫うようにして時間をつくり、寝る間を惜しんででも会いにいくようなものに近いかも知れません。

ゴールと行動を左右する本心

結局のところ、本当にやりたいこと、本当に身につけたいこと、本当に成し遂げたいことをゴールにして、どうしてもそれをやり遂げたいという強い意志というものが本心になければ、それは行動力として自分を動かすことには繋がらないのです。本心からの意志意欲がベースにあれば、時間は工夫してつくろうとしますし、手間暇を厭うこともないはずです。ちょっと失敗したり挫折したりしたぐらいでは、簡単に諦めることなく、成功への実験と捉え、試行錯誤や悪戦苦闘、暗中模索しながら、一歩一歩着実に歩を進め、そのこと自体を楽しみながら目の前のやるべきことを疎かにせず、今と未来の両方に希望を持つからこそ、成功するまで続けられるのです。

By hb